引きこもりは治るから安心して大丈夫です
もしあなたが今、外に出るのが怖い、人と会いたくない、家の中にいる方が安心すると感じているなら、それはあなたが弱いからでも、怠けているからでもありません。
多くの人が同じように悩み、同じように苦しんでいます。そしてその中の多くの人が、少しずつ自分のペースで前に進んでいます。
今日は、あなたの気持ちに寄り添いながら、引きこもりについて一緒に考えていきましょう。
あなたの痛みがわかります
例えば、朝起きて「今日こそは外に出よう」と決めても、玄関のドアノブに手をかけた瞬間に心臓がドキドキして、足がすくんでしまう。
コンビニに行くだけなのに、誰かに会ったらどうしよう、変な目で見られたらどうしようと考えると、もう一歩も動けなくなる。こんな経験はありませんか。
あるいは、友人からの連絡に返事をしなければと思いながらも、何と言えばいいのかわからず、スマートフォンを見るたびに胸が苦しくなる。気づけば数ヶ月、誰とも会っていない。こうした状況は、決してあなただけのものではありません。
家族から「いつまでそうしているの」と言われるたびに、自分でもどうしたらいいのかわからず、ただ部屋に戻って布団にくるまる。
「自分はダメな人間だ」「みんなに迷惑をかけている」と自分を責める気持ちと、「でもどうしても動けない」という現実の間で、心が引き裂かれそうになる。
夜になると「明日こそは」と思うのに、朝が来るとまた同じ繰り返し。こんな日々を送っているあなたの心の痛みは、本当に本当につらいものだと思います。
引きこもりとは何か、あなたの状態を理解する
引きこもりとは、一般的に6ヶ月以上にわたって家族以外の人との交流がほとんどなく、自宅や自室にとどまり続ける状態を指します。
ただし、これはあくまで目安であって、あなたの苦しみを測る物差しではありません。たとえ3ヶ月でも、1ヶ月でも、外に出られない自分に悩み、苦しんでいるなら、その気持ちは大切に扱われるべきものです。
例えば、週に一度だけコンビニに行けるという人もいれば、家族とは話せるけれど自室から出られない人もいます。オンラインでは活発に活動できるのに、対面では一言も話せない人もいます。深夜なら散歩できるけれど、人がいる時間帯は無理という人もいます。
引きこもりの形は人それぞれで、あなたの経験はあなただけのものです。大切なのは、「こうあるべき」という型にはめることではなく、今のあなた自身の状態と気持ちを、まずは認めてあげることなのです。
自分の状態を知るための優しいチェック
あなた自身の状態を理解するために、いくつかの質問を一緒に考えてみましょう。これは診断ではなく、あなたが自分自身と向き合うための優しい手がかりです。
過去6ヶ月を振り返って、家族以外の人と直接会って会話をしたのは何回くらいでしょうか。買い物や通院など、外出の必要性を感じても実際に行動できない日が週の半分以上ありますか。友人や知人からの連絡に応じることが難しく、罪悪感を感じていますか。
また、一日の大半をベッドや布団の中で過ごし、昼夜が逆転している状態が続いていますか。鏡を見たり、身だしなみを整えたりすることへの関心が薄れていますか。将来への不安や焦りを感じながらも、具体的な行動を起こせない状態が続いていますか。
こうした質問に多く当てはまるほど、あなたは今、引きこもりの状態にある可能性があります。でも、それがわかったからといって、焦る必要はありません。むしろ、自分の状態を知ることが、回復への最初の一歩になるのです。
あなたの心に何が起きているのか
引きこもりの背景には、さまざまな心の傷や疲れが隠れています。例えば、学校でいじめを受けた経験がある人は、「また傷つけられるかもしれない」という恐怖から、人との接触を避けるようになります。
職場でひどく叱責された経験がある人は、「自分は何をやってもダメだ」という思い込みから、新しいチャレンジができなくなります。これは心が自分を守ろうとしている、自然な反応なのです。
家族との関係の中で、常に期待に応えなければならないというプレッシャーを感じ続けてきた人もいます。「良い子」でいることに疲れ果て、もう誰の期待にも応えられないと感じて、家の中に閉じこもる。
あるいは、発達の特性によって、人とのコミュニケーションに人一倍エネルギーを使い、外の世界にいるだけで疲弊してしまう人もいます。うつ病や不安障害などの精神的な症状が背景にあることも少なくありません。
心と体に現れるさまざまなサイン
引きこもりの状態にあると、心と体にさまざまな変化が現れます。感情面では、強い不安や恐怖を感じることが多くなります。特に外出や人との交流を考えたときに、動悸や発汗、震えなどの身体症状を伴う不安が起こります。
自分を責める気持ちが強くなり、「自分には価値がない」「みんなの邪魔をしている」といった否定的な考えが頭の中をぐるぐると回ります。
生活リズムの面では、昼夜逆転が起こりやすくなります。夜の方が静かで、誰にも見られない、誰とも関わらなくていいという安心感があるからです。食事が不規則になったり、食欲がなくなったり、逆に過食になったりすることもあります。
お風呂に入る、歯を磨く、服を着替えるといった基本的なセルフケアさえも億劫になり、それがまた自己嫌悪につながるという悪循環に陥ります。
体の不調としては、慢性的な疲労感、頭痛、胃腸の不調、肩こりや腰痛などが現れることがあります。これらは「気のせい」ではなく、心の疲れが体に現れた本物の症状です。
また、集中力や記憶力の低下を感じることもあります。本を読んでも頭に入ってこない、何かをしようと思ってもすぐに忘れてしまう。こうした変化も、あなたの心が「休息が必要だ」と訴えているサインなのです。
なぜこうなったのか、原因を理解する
引きこもりの原因は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っていることがほとんどです。心理的な要因としては、過去のトラウマ体験が大きく影響します。
いじめ、虐待、重大な失敗体験、大切な人との別れなど、心に深い傷を残す出来事があると、「もう傷つきたくない」という防衛反応として、外の世界との接触を避けるようになります。
完璧主義的な性格傾向も影響します。「失敗してはいけない」「人に迷惑をかけてはいけない」という思いが強すぎると、行動することそのものが恐怖になってしまうのです。
社会的な要因も見逃せません。現代社会は、常に誰かと比較され、評価される厳しい環境です。SNSを見れば、みんなが輝いて見える。自分だけが取り残されているように感じる。
就職活動での失敗、職場での人間関係のトラブル、リストラや退職といった出来事をきっかけに、社会への不信感や恐怖心が芽生えることもあります。「自分の居場所がない」と感じる孤独感は、人を内側へ内側へと向かわせます。
生物学的な要因として、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れていることもあります。セロトニンやドーパミンといった、気分や意欲を調整する物質が不足すると、うつ状態や無気力感が生じやすくなります。
また、発達障害の特性を持つ人は、感覚過敏や対人関係の困難さから、外の世界を過度にストレスフルに感じることがあります。遺伝的な要因や、家族の中でのコミュニケーションパターンも影響することがわかっています。
回復への道のり、小さな一歩から始める
引きこもりからの回復は、階段を一気に駆け上がるようなものではありません。むしろ、小さな石を一つずつ積み上げていくような、ゆっくりとした過程です。
まず大切なのは、今の自分を責めることをやめることです。「こうなったのは自分のせいだ」と考えるのではなく、「今の自分はこういう状態にある」と、事実として受け止めることから始めましょう。
引きこもり状態のあなたは怠けているのでも、甘えているのでもありません。心が疲れて、休息を必要としているだけなのです。
次に、生活の中に小さなリズムを作っていきます。例えば、朝、カーテンを開けて太陽の光を浴びる。これだけでも立派な一歩です。
決まった時間に一食だけでも食べる、週に一度だけでもシャワーを浴びる。こうした小さな習慣の積み重ねが、少しずつ生活にリズムを取り戻していきます。
できない日があっても大丈夫。できた日を数えて、自分を褒めてあげてください。
参照元サイト→引きこもりの判定チェック・症状・原因・治し方
専門家の力を借りることも、とても大切な選択肢です。心療内科や精神科の医師、臨床心理士やカウンセラーは、あなたの味方です。
「引きこもりで病院に行くなんて大げさ」「自分はそこまでではない」と思う必要はありません。むしろ、早めに相談することで、回復への道のりが短くなることも多いのです。
今はオンラインでのカウンセリングも増えていますし、自治体の相談窓口に電話するだけでも、誰かとつながっている感覚を取り戻せます。
最初の一歩として、家族に「話を聞いてほしい」と伝えることから始めてもいいのです。
あなたのペースで、あなたにできる方法で、少しずつ前に進んでいきましょう。
あなたの回復を信じて、心から応援しています。